内観に行ってきました
先日、栃木県喜連川町にある内観研修所『瞑想の森』へ行ってきました。
6泊7日の集中内観です。
内観とは、
❇︎していただいたこと
❇︎して返したこと
❇︎ご迷惑をおかけしたこと
の3つを、母、父、兄弟、子、夫、など近しい間柄から自分との一対一の関係で0歳から3歳、〜現在までを数年で区切り、そのときの自分について調べていきます。
どんな方も、まずは母親からスタートです。
滞在中は携帯やスマホは預けなくてはならなく、一切の情報を遮断し内観します。
屏風を部屋の四隅に立て、畳半畳ほどのスペースに6時〜21時まで1日15時間座り、2時間ごとに面接の方がやってきます。
「ただいまの時間、どなたに対していつのご自分をお調べになっていただきましたでしょうか」と尋ねられます。
「母に対して、4〜6歳のときの自分について調べました」
「していただきましたことは、遠足に持っていくお弁当に大きなおにぎりとピーマンの肉詰めを作っていただきました」
して返したことは「病院に付き添いました」
ご迷惑をお掛けしたことは「文房具屋で、カッターが本当に切れるか確かめたくて、指にスッーと当てたら血が垂れてきて、知られたら怒られると思い、帰ってから嘘をついたことです」など、そのときの情景や微細なことを身調べし、面接官に伝えます。
そうすると「ありがとうございました」と言われます。
特に助言とかはありません。
「次の時間は母について、7歳〜9歳のときの自分を調べたいと思います」と、次の時間に調べることをお伝えします。
また、屏風の中で、そのときの自分を調べます。
毎日、その繰り返し。
全体の風景ですが、内観の妨げになるため私語厳禁、食事やお風呂はいただけます。
野菜中心のお食事は、お膳に乗って運ばれ、
各自屏風の中に引き入れていただきます。
お風呂の時間も30分割り当てられた時間に入ります。
今回は男性2人と私だけでした。
よって、女性棟は私1人。
人の気配がないため、心細さもありましたが、個人的には好環境でした。
2日目に入ると、この先まだまだ5日もあるのかと思うと、リタイヤして帰ろうかと思った瞬間もありました。
毎食時、過去内観に来られた方のテープが流れます。
嗚咽し、懺悔しているような内容が多く、私は不安を覚えました。
なぜなら、私は淡々と話、面接中にそのような状態になることはなかったからです。
私は内観できていないのではないか、その不安があることを面接官に伝えました。
すると、「号泣するからできている、淡々としているからできていないということではありませんよ」と。
3日目に内観を深めるにあたって、設立者、故・柳田鶴声のテープが流れ
「初日から今日までは、練習です」というようなことを話していました。
一切の情報を遮断し、集中して過去を思い出す。やっと土台ができてきたということだそうです。
おぉ、そうかそうかと気を取り直しました。
観たい関係者との自分をひととおり調べたあと、最終日の前日から母に戻ります。
思い出しやすくなって、内観の力が少しつき始めたところで、母との関係が一番密なので、さらに深堀りをする。
明らかに忘れていたことをスルスルと思い出すのです。
内観は愛情の落ち葉拾いと言われているそうです。
単純に感謝の気持ちが湧く、とかそういうことだと思っていましたが、それはあとからついてくるようなものでした。
実際は、今の自分以上でもないし、以下でもない。ありのまま、あるがままの自分自身を知ることでした。
最初に所長が「ここは道場です」とおっしゃっていた意味がわかりました。
気づきの瞑想や、さまざまな分野でも大切にされている、いま、いま、いま、ここ。
いまが未来につながっている。
さんざん、本を読んだり講座に足を運んだりし、見聞きすることと同じことを内観で言われていて、ここに来たら爆発的に何か変わるような気持ちがしていたわたしはおもわず笑ってしまいました。
コツコツと積み重ねていくことの大切さ。
日常を効率よく、無駄なくやろうとすることではないように感じました。
理屈ではわかっているつもりですが、しなくてはならないことと、やりたいことがたくさんあるので、知らぬ間に効率を考えていることもあります。そばにいる人たちの気持ちをおいてけぼりにしてしまうようなことがあってはならないなと思いました。
内観で面白かったのは、やればできる、とか、してあげたかったことはしなかったことになります。
そこを踏まえて、「して返したこと」は、
相手の負担を軽くしたこと、なので、自分勝手にしてあげたいこと、したことは、して返したことには入りません。
人生の中で、して返したことが意外と少ない。
手垢にまみれた言葉ですが、日々が大切。
手元にある大切なモノ・コトは変わっていませんが、優先順位が変わりました。
子どもとの暮らしが大切で外に外に向けていた意識がいま内に向いています。
だからと言って、ずっとお家にいるわけではありませんよ、うまく言えませんが。
これから先、つらいことや嫌なことがありませんように、でもなく、いいことばかりを求める、でもなく、すべて歓迎していく、どうぞいらっしゃいの精神。
これからは日常内観ができるよう、1日の中に取り入れていきます。
以上、内観の感想です。
わたし目線で偏っているかもしれません。
きっと、それぞれが体験を通して感じることは違うと思います。
6年前から行きたい行きたいと思いつつ、職業のある者が1週間も仕事をまるまる休んだり、家を空けるこはなかなか難しい環境です。
今回、さまざまな協力があって、実現できました。ありがとうございました。
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